■ PENTAX LXデジカメモドキ2

2016年1月11日公開

終わったはずのテーマであるのだが、背面ブラケットがもう一個あるのと予備のNEXが数台あるので、2号機を製作した。

もはや新しいことは何もなく、淡々と製作したのである。当然シャッターは1号機で完成したエミュレータを再製作し、できる限りの薄型化を目指している。

今回のベースマシンは、NEX-5Nである。もともとこのテーマを開始した時はNEX-5系を部材にすると考えていたのだが、NEX-C3に変更したためようやく元に戻ったということになる。

1号機と今回の2号機を並べてみた。厚みは同じであるが、液晶の出っ張りがない分スッキリしている。NEX-5Nをベースとしたので、液晶はタッチパネルである。スイッチは最初の各種初期設定の時には必要であるが、何回も抜き差しすると弱いので普段は外しておくことにした。設定を変えることはほとんどないため。

 

_P1M1122

 

裏面側はこんな感じ。

_P1M1126

 

 

PENTAX LX DIGITALモドキ II

やっていることはLXデジカメモドキ1号機と同じで、特に目新しいところはない。今回は1号機の時のように、行き当たりばったりの加工や取り付けはせず、どの部材をどこにどのように取り付けるかをあらかじめ決めて実施している。

今回まず工夫したのは、イメージセンサーの取り付け方法である。1号機で撮った初回のデモ画像を等倍で観察すると、片ボケとなっているのがわかっていた。これはセンサーのマウントに対する平行度が出ていないことから発生していると予想していた。それでシムなどを挟み調整してはみたのであるが、センサー自体を直接LXの裏蓋に取り付けている以上、手持ちで押さえると弱冠ながら凹むので、あまり精度が良くなかったのである。それでも、調整後はまあまあ撮れていたので、2号機は構造を刷新することにした。方法はフィルムと同じフィルム圧板である。裏蓋が動いてもマウントとの距離を保証できるフィルムガイドレールがあり、これにセンサーを押しつける方法が良いと考えたのだ。

センサー取り付けほ方法

センサーは汚れるのを想定し、作業用のものを使用。本物は最後に交換する。

蓋を閉めた時に、バネにより押し付ける構造にしてみた。部材はまさにLXの裏蓋から取り外したフィルム圧板を流用した。これをブラケットに取り付ける。

組み立て

本体への取り付け

実際のセンサー位置を確認、位置合わせを行う。ガサツなもので、光軸中心とセンサー中心は少々ずれているかもである。今度はシフトによる片ボケが心配ではある。

センサー位置の確認

この画像で見えるほど実機の中心はズレてはいないと思う。

シャッターはエミュレータで、今回は試行錯誤は不要ということで出来得る限り面積を削っている。それでもデバッグは可能なように、Arduinoは外部からアクセスしやすい位置に設置している。

エミュレータ配置

NEX-5Nの制御基板の処理である。必要な信号を配線で取り出す。

基板の処理

最終的にはHDMIコネクタとUSBコネクタは取り外す。問題が出なければ良いが、C3基板では問題なかったがUSBの取り外しは今回が初めてである

基板と他の部材を取り付ける位置をおおよそ決める。

基板取り付け

今回は液晶も内部に取り付ける。1号機のように出っ張るのが気に入らなかったためだ。

LCD配置

自分は電気系技術出身ではあるのだが、実は配線作業は好きではないのだ。この工程は時間がかかったのである。やる気になるまでに、缶ビール一本が空いた。

配線後

全部の配線作業と、FPCケーブルの接続

ここまではすんなりと順調に来た。しかし、この後にまたまた苦難のデバッグが待っていることとなる。

IMG_0115

センサーを本物に付け替え、組み立ては完了

IMG_0114

今回は電源もすんなり入ったのであったが、。

シャッターに関しては、C3も5Nも電気的には共通であることはわかっているので、エミュレータは同回路で問題ないと判断したのであったが。

さてさて、単独でこれを動作させてみるとカメラエラーのオンパレードとなってしまうのであった。1号機で完成したエミュレータであったはずが、NEX-5Nとは相性が良くないみたいであった。それで、実機のシャッター動作をスローモーション動画に撮って観察したり、実機とモドキで相互にシャッターとエミュレータを交換して動作確認したりと苦難の道の始まりであった。、、、。地道すぎて書く気にもならない。

1週間、仕事が終わってからも家にこもってデバッグである。ようやく、原因が判明し解決できたのであった。5N実機のシャッター構造をじっくり見て、エミュレーションの信号応答タイミングの問題であることに気がつき、タイミングを変更することでカメラエラーはあっけなく押さえ込むことに成功したのである。デバッグポートを出しておいて良かったと痛感である。

これで2号機も完成である。1号機の時に無限遠調整したレンズがそのまま2号機でも使用できると良いのだが、。多分、再調整であろう。そうなると、1号機は28mm(換算42mm)、2号機は35mm(換算52mm)と使い分ける方法もありかも。

紆余曲折を経て、2年が経過してようやくここまでたどり着いたので、以上で本当にこのテーマは終結であろう。あとはフィールドに撮りに出るだけである。