■ PENTAX MX編

2016年10月23日公開

裏蓋がPENTAX ME と共用出来ると思いこみ入手したMXであったのが、全く互換性のない事がわかり新たに製作することになったのだが、結構のんびり進めていたのがようやく完成したので、まとめとして掲載する。

内部構造はLX3号機に近い。PENTAX MEよりは横幅が少し長い分、部材の配置は制約が緩和されLXと同様な配置になんとかギリギリ収まり、シャッターエミュレータも同様配置となった。

今回は新たな構造にチャレンジしているのである。MEのときに掟破りの本体削りの手を入れたのであったが、それをLXに展開した事がしこりとしてずっと心に残っていたのである。元々のポリシーを簡単に変えてしまうことに、本来のこの取り組みに対する意義を捨ててしまったという消化不良的な感が否めないのであったのだ。

そこで、新たにMX用を製作するのを契機に、違う手段による実現法を試したのである。

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コンパクトなMX

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最終的には、金属面のままだと滑りやすかったので、レザーを貼った。またダイヤルスイッチのガードは黒が残っていたので黒に変更した。(ダイヤルは白のまま)

 

PENTAX MXデジタル

これまで5台のデジタル化を挙行してきたわけであるが、とにかく目標に到達するのを目指して完成させるのを優先してきたため、完成までの課題を克服していく過程で都度英断(笑)により元々の想定になかった荒技を駆使した場面も出たのであった。中でも一番悔いの残るのは、カメラ本体のフィルムガイドレールを削ったことである。センサーサイズに合わせるための仕儀ではあったが、やはりセンサー側を削る手段の方が見合っていると考えるのである。ただし、これは工芸品のLXに対しての思いでありMEやMXに対しては、まああまり気にしていないのだが。(笑)

それで、センサー削りに再挑戦したのである。以前、プロトタイプ製作時に一度実行して失敗を経験している。電動ルータでガリガリとやったためか振動で壊したようであったが、今回は手削りによりなるべく振動を与えないようにやんわりと行った。

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イメージャーを削るということは、削り粉がセンサー表面につくことは避けられない。目論見では0.5mm程度削れば良いので、以前から部品配置を決める際に使用していた作業用ダミー(と言っても汚してしまい使用しなかった本物ではある)が2個あったので早速練習したのだ。

表面は粉や傷がつかないよう養生を施して実施した。削る行為自体は時間さえかければ可能であるのだが、問題は加工後のクリーニングが満足いく結果が得られるかである。これまではたとえ養生のためであってもイメージャー表面に触れるなどもってのほかという意識であり、かなり気を使って取り付け作業に当たっていたのである。それでも完全にゴミのない状態にはできなかったのである。クリーンルームのような環境で行わないと所詮無理ということで、我が工房(笑)においてはゴミはレタッチの世話になることで乗り切ろうということである。そもそも電池充電のためにカバーをあける度にセンサーはむき出しとなるので、ゴミやホコリが付着しやすくあまり神経質になることもあるまい。そう思えば傷さえつけなければ良いということで少し気も楽になった。それに伴い、クリーニングのための機材を色々入手したのは言うまでもない。このところセンサークリーニングの情報ばかりをネット探索していたのであった。実際、練習で削ったイメージャーをLX2号機のセンサーと付け替えて撮影し確認してみたが、即死せず生きており、ゴミは取りきれていないがまずまずの結果は得られそうということは確認済みである。

これにより、この加工後はガイドの寸法内へきっちりと収まったのである。よって、本体のガイドレールを削らずとも同じ効果を得られることとなったのである。動作は問題ないことは確認済みであるが、耐久性はどの程度かは今後の運用で判明してくるとは思う。一旦カメラ本体への過激な改造は回避できる目処はたったということになる。

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エミュレータの配置もLXと同様である。スペースはキチキチではある。

シャッター信号の取り出しに関しては、信号の仕様がMEと同様であるので同様に底面から配線で直だしである。巻き上げレバーを完全に戻す操作もMEと同様である。

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これでMX編も完了である。

この先、あとはME SUPERとME-Fが残っているのだが、これらはMEと取り付けは共用できるがちょっと困ったことが判明しているため、解決策を模索中である。いづれ克服することになるであろう、、。