▪️フィルムカメラのデジカメ化(少々改良編)

2019年4月29日公開

最近は新たなターゲットがないので、少々改良を行ってみた。

テーマはエミュレータのアルゴリズム改善と、USB給電、ストレージ機能への対応である。一部の機種は先行して実施済みではあるが、過去機へのフィードバックである。エミュレータが必要な理由は、何度もブログや固定ページで触れているので、割愛する。

******************************************************************************************************************************************************

◇ アルゴリズム改善

改良の目的はバッテリーの省エネである。これまで都度改善してきたのであったが、ちょっと見直したくなり今回実行した次第である。

エミュレータの動作は、以下のような経緯を歩んできたのであった。

当初、まずはエミュレーションが本当にできるのかどうか半信半疑であったため、とりあえず動作させることを優先にしたために、バッテリーの消費には気を使わなかったのであった。この仕様では、電源ONにするとずーっとプログラムが走りし続け、シャッターが動くまで監視し続ける仕様であった。おかげで、こまめに電源をOFFする癖がついてしまったくらいである。

転機が訪れたのは、Leitz minolta CLを試作した際に自分以外の人に使用して頂いたのがきっかけであった。使用してみた感想が、バッテリーの消耗が激しいというもので、聞いてみると電源はONしっぱなしであったとのこと。それで、デジカメを使い慣れている普通の人は、デジカメ側に省エネ機能がついているので気にせずONしっぱなしであるのだということを思い知らされたのである。それで改善策を練ったのが2番目の対策である。

これはエミュレーター側にもスリープタイマーを設け、電源ONしっぱなしでもタイムカウント後にはスリープに移行するというものである。最近の、新たな製作時の主流の方式となっていた。これにより、消費電流的にはかなり改善されたと思われるが、シャッター半押しを検出してスリープから復帰するようにするため回路を追加しなければならず、追加部品も増える結果となり、更に基板を改造する手間が増えている。

そこで最近、再度見直しを検討したのであった。この新方式は、実は当初から考えていたのであったが、優先度を下げていたのである。マイコンによるエミュレーションがうまくいった後はハードロジックへ置き換えることも考えていたのであったが、部品点数的に多くなると基板実装面積がキツくなることが予想されたので、マイコンを継続使用すべきと考えたのである。本来、シャッター動作タイミング時のみ働き、後は常にスリープするのが望ましいのだとあらためて思ったのだった。これにより、本来の必要な時だけ仕事を行い、後は省エネで電力をセーブする機能が実現した事になる。

◇ USB給電、ストレージ機能対応

元々のデジタル部に使用する機種に備わっている機能を有効利用しようというものである。従い、最近の機種に限定される。

デジタル部に使用しているα5100がSDカードを制御基板上に搭載しているため、今の配置ではバッテリーを外さないとSDカードへアクセスできないなどの操作上のストレスを感じるようになったのが理由である。3Nも同様である。

これはデジカメの制御基板のUSBコネクタを移設したにすぎず、大してゆうほどのこともない。今までは、本体を薄くするために基板上のコネクタは除去していたのを、配線でアクセスしやすい位置に取り付け直しているにすぎない。

Leitz minolta CLは、底面の巻き戻しクランク部にコネクターを出している。クランクを回すと現れるよう取り付けており、普段は隠れるよう工夫してみた。


MINOLTA CLEは、CLと同様に底部に似たようなクランクがあるが、フタ開閉の機構が内部にあるので改造できなかったため、オーソドックスな方式である。

KONICA C35 FDは場所が狭く何とか収めたという構造である。

ちなみに、C3や5Nを使用した機種は、SDカードの出し入れはストレスないので対象とはしないつもりである。