■ フィルムカメラのデジカメ化(PEARL 4編)

2019年9月15日公開

今年他界した叔父の形見として受け継いだカメラで、中判(セミ判)である。引き取った時点では経年劣化によるシャッターの粘りがあり、動作が不安定だったが、バラして清掃を施すことで解消されたため、記念にデジカメ化して使おうと決めたのであった。

ただ、デジタル部はいつものAPS-C機であるので、本来の仕様とは異なるが、まあ気にせずに取り組んだのである。本来ならセンサーを縦に配置したかったが、部品の配線接続(FPCなど)の制限から全てを縦にせねばならず、それではバックシルエットに収納不可能であるので、いつものように横位置の配置とした。

スプリングカメラということで、撮っている様子の動画を掲載。

(注)モバイル端末では再生しないかもです。

 

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■ Pearl 4編

中判機ということで、いつものAPS-Cを配置するにはフィルムゲートが広く固定を工夫せねばならなかった。その分、これまでのようにセンサーを削る必要もなかったのが作業を楽にしたのだった。

今回は元々の裏蓋への加工、及び部材搭載をせず、別途ブラケット板を加工し、全ての部材を取り付ける構造とした。フィルムゲート開口が広いので、これまでとは違ってガイドレール内にイメージセンサーがそのまま入ってしまうので、逆に取り付け方法がないための工夫である。ちょっとオーバーインフの位置になってしまったが、レンズ固定式であるので距離計を再調整することで今は逃げている。ただ、ガイドにあてがうことができないので、ブラケット自体の固定の締め付け度合いによっては光軸に対する垂直性が変化するという課題が残っているのであるが。

シャッター信号の取り出しは定番方式にしたが、スプリングカメラでありレンズシャッターなのでシャッター近辺から取り出すとレンズの仕舞時に配線の始末がうるさいのと、レンズが飛び出した時に配線が引っかかって断線が危惧されたので、ボディ内から取り出している。幸い、連結機構があったので、何とかクリアできた。

あとはいつも通り。今回のデジタル部はα5100である。エミュレータも余裕で取り付けられた。

電源スイッチやUSBコネクタは下部からのアクセスとした。

中判カメラということで縦方向のスペースに余裕があり、基板類もあまり加工の必要がなかった。

ほぼ定番の組み立て手順にて完成。

カバーは手製、アラ隠しのレザーで軽く化粧している。