■ フィルムカメラのデジカメ化(Leica M4フルフレーム編その2)
2020年12月7日公開
Leica M4フルフレーム編その1からの続き
■ Leica M4(Full Frame)ライカM4の加工
フルフレーム化の目処がたったということで、いよいよM4の加工を行うことになった。無限遠位置合わせは別の方法とするので、とりあえずフィルムゲート上にセンサーを搭載可能にするのが最低限の課題ということである。
APS-Cの一号機製作時にも悩まされた独特の構造だが、これをベースにせざるを得ないのである。
まず、イメージセンサーを搭載するには、ガイドレールの上側が障害となる。他の機種と比較してもあまりスペースがないし、フレームが存在するのである。バックドアを外しても次図の赤の部分が邪魔で、ここは切り欠かざるを得ない。しかし、ライカM4に手をかけるのは少々抵抗があり、半日ぐらい葛藤したのであった。(笑)やるくせに、、、。
分解せずに、この部分だけをなるべく他の部分に影響がないように加工する方法をしばし考えたが、過去の経験からチョット手荒だがフライス盤で削り落とすのが良いと判断し、実行した。ただ、フライスを電動ヤスリの如く利用し、手持ちで削るという作業にした。M4をガチガチに固定する方法がなかったというのが理由である。
結果、事故もなくそこそこの出来となったのである。
イメージセンサーをあてがってみると、なんとかフィルムゲート上に収めることができた。これで課題はパスした。
マウント側からの景色は、すごい。APS-Cとは迫力が違う。
フィルタの取り付けもM4一号機と同様にシャッターのマウント側に設置する。ただ、センサーから剥がしたオリジナルのフィルターの寸法では大きすぎて取り付けできず、カットしている。もちろん、フルフレームはカバーしている。
無限遠の位置合わせに関しては、フィルムゲートを切り欠くことはしない。先にも述べたように、光学的手法による受光面の位置合わせができることが確認できたためである。たとえこの大きさのセンサーの寸法を切り出したとしても、シャッター幕が上下ともむき出しになってしまうし、ボディの左右が途切れてしまい強度が落ちてしまいそうである。何より、分解せずにはできない。
あとは、M4一号機の時とほぼ同様な部材の加工となる。バックドアを加工し、ブラケットを固定してカバーをヒンジで取り付ける構造は同じである。今回のカバーは、一号機の製作時に白、黒の2個製作してもらったアマリである。一号機は白アルマイトバージョンの方を使用したため、今回は黒アルマイトバージョンになった。ただ、α7の基板やSDカードスロットの取り付け構造上、かなり分厚くなるのがわかったため、カバーは製作し直しで発注中である。今回は仮に使用している。
バッテリーケースも、もう一個あったライカビット用の保守換装用ペイント前ケースを流用する。これも同じく、内部をフライス盤で削り落としてバッテリーセルが収納できるように加工する。最後の最後に一号機と同様に、梨地クロムメッキに出す予定であるので、当面は真鍮色のままとした。
カバーの固定は、一号機と同じくローレットビスどめである。
上記のような構造に内蔵部品を取り付けると、完成である。基板類は、動作テスト時に絶縁不良により発煙させてしまった経験により厳重に絶縁処理をしたので、中身は見えない。(笑)
LCDも一号機同様にカバー側に取り付けている。今回はダイヤルスイッチも外だしである。分厚くなりすぎて、内部に収納できなかったための処置である。また電源スイッチがエミュレータ基板上にあると邪魔であったので、下部左に設置替えしている。シャッター同期信号の取り出し方法も、一号機と同様の処理である。
これにより、一旦持ち出せるようになるまでに完成した。どのような感触になるのか、期待する次第である。
イメージセンサーさえ搭載できればM4一号機の経験があるので、淡々と進められたのである。
色々あったが、ついにフルフレームバージョンが出来て、この取り組みももう新たにはやる気は起きないであろう。(嘘)(笑)
12月14日追記
暫定カバーによる、フィールドデビュー
12/26 追記
頼んでいたカバーがきたので、早速着せ替え。
2021/01/21追記
バッテリーケースの梨地クロムメッキがあがってきたので、掲載。