デジタル化の細かな改良

最近、LXデジタルの回路に関する問い合わせを頂いたのを契機に、これまで触れて来なかった細かい事項について載せようと思い立った。問い合わせの内容には直接関係ないのだが、バッテリーの消費についての話題である。

シャッタエミュレータにArduinoを使用しているため電源食いだとトピックスにも触れているのであるが、どのくらいバッテリーを消費するかといえばまる2日で無くなるのである。実用的には、自分の場合は丸一日撮りに出るわけでもないので、頻繁に充電する煩わしさはあるがまあ問題なかったのであった。ただ、充電の度に蓋を開けてバッテリーを取り出すことになり、センサーのゴミ付着の可能性の頻度が上がることになる。さらに、3号機で経験したようにOPTフィルターの噛み込み事故にも気を払わねばならず、普段はバッテリーを抜いておく運用でなるべく蓋を開けないようにカバーしていたのである。計測したわけではないが、NEX自体は1ヶ月程度は放置していても持ちそうで、A7R2などは最近ほとんどお蔵入り状態であるがたまに電源を入れてもさほど消費しているわけでもない。

なぜそうなのかということであるが、詳細は割愛するがエミュレータはNEX-5Nの本体電源をONする前に初期化を終えていなければならないからである。この作法に従わねば、カメラエラーとなって本体は立ち上がらないのであった。よって、当初の1号機や2号機は次のような配線にしていたのである。

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つまり、バッテリーを接続したら即座にArduinoの電源が入ることになり、本体の電源スイッチをONにする時点では初期化は完了している。代わりに常時バッテリーを消費しているのである。

3号機の事故を契機に、蓋の開閉頻度を減らそうとArduinoの電源ラインに専用にスイッチを設置したのが次の回路である。

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非常に安直な解決策で、スイッチ操作は少々煩雑となったが、バッテリーのもちは本来のNEX依存へと改良できた。現在3号機はこのまま運用している。

で、このままでは操作が煩雑だということで、次に製作したMEデジタル、およびLX4号機では、メインスイッチはArduinoの電源ON/OFF用とし、NEX本体の電源コントロールはArduinoから行うという回路に改良したのであった。

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このおかげで、3、4号機、ME機ともに現在はバッテリーは入れっぱなしで放置していても消費は気にならなくなった。もちろん、撮っているときはエミュレータはフル稼働であるので、本来のNEX単体時よりは消費は激しいのではあるが。

つまらない細かな話題ではあるが、チョットずつ進化しているということかな。