フィルムデュプリケータという機材

フィルムカメラにはまり込んで数週間、銀塩カメラ集めの熱も冷めたと思うこの頃であるが、せっかく撮った写真の楽しみ方にいまいち馴染めず、またまた新たな方向へ向かおうとしている。

その昔(現在も同じ?)、リバーサル銀塩フィルム時代においては撮影後の出来映えを確認するのはライトボックスなる機材を使用して行っていたと聞く。乳白色のボードの下から光を当ててボード上に現像後のポジを置き、ルーペで見ることで写り具合を確認後数十コマの中から良さそうなコマを取捨選択しプリントに出していたということだ。最近ディジタルから入った身としては、その方法はそれなりに趣のあるものだと感じたのだが、ライトボックスを揃える手間とラボを行き来しなければならない煩雑さはなかなか馴染めないと思っていた。やはりパソコンのディスプレイ上で見られたほうが馴染みやすいので、フィルムを画像データに取り込む方法について興味が湧いて来たのである。
手っ取り早く思いつくのはスキャナーを使用した方法であるのだが、現在販売されている安価なスキャナーは性能的に使い物にならないという評判を目にしたこともあり、他の方法を模索することになった。一応、ラボでもやってくれるのだが、大きなサイズのデータとして取り込んでもらうとかなり高くつくらしい。(300DPI、A4サイズで1コマ500円程度もするとのこと。)業務用の機材は高額であるので、減価償却を考慮しての価格設定であるのであろう。思い返せば自分は今はリタイヤしているが、業務用のスキャナーを製造していた会社に勤めていたので、業務用スキャナーは数千万円もしていたのを思い出した。また、個人で買えるフィルムスキャナーというものが以前販売されていたのだが、それでも4、50万もしており今は生産中止で中古でしか手に入らない。しかもまだまだ結構高い価格で取引されているようだ。

これはダメかと諦めかけたのだが、ふとデジカメでフィルムを撮影する方法はできないのかと思い当たった。そこでネットを探してみると、これが在るのである。元々はフィルムをデュプリケートする、つまり複写する機材であったのだが、複写側カメラをデジカメにすればデジカメで撮影できることになり、つまりデジタルデータ化ができるということだ。しかもつい最近(5月下旬)新規に発売されたというのが全くタイミングが良く、発売元がPENTAXということも何か運命的なものを感じるのである。ただし実売価格12万と非常に高価ではあったが、、。

 

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フィルムデュプリケータにDfとSB700をセットしてみた

これがフィルムデュプリケータを使用したフィルム写真をディジタルデータ化するシステムである。デュプリケータと言っても機材が複写(ディジタル化)してくれるものではなく、カメラや光源であるフラッシュを精密に設置できる筐体とベローズ部のみで12万、当然デジカメと光源は自前で用意する必要がある。レンズも接写目的からマクロが望ましいとのことで、「師匠」から譲ってもらった。Ai Micro Nikkor 105mmF2.8を装着している。等倍撮影するには接写リングも必要になる。

 

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場所をとるので設置場所には苦慮する

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35mmフィルムホルダーとマウンタ

これで銀塩写真をもう少し楽しむことができるというもんだ。近い将来フィルムの生産が途絶えてたとしても、ラボでディジタル化を頼む経費を考慮すると、元をとるにはざっとフィルム7本程度だ。
しかしこうなると高価なデジカメは単なる入力装置に成下がってしまうのであろうか、、、。

とりあえず、パラメータ調整はまだ完全ではないが、サンプルを撮ってみた。

ネギ坊主

Dfで取り込み。接写リングがまだないので、1/2倍のサイズとなる