もう7月

梅雨の6月はあっという間に過ぎた感が否めない。このひと月はあまり撮りには出られず、本来はMEの仕上げに当てる計画であったはずが、やっていたのは銀塩機の修理(破壊かも)である。

LX3号機を修理に出している間、新たに2台のLXを入手していたのであるが、そのうちの一台が故障したのがきっかけである。一台はいつもの中古屋さんで新入荷した個体で、表示ラベルを見てファインダーが通常のFA-1という記載を見てなんとなく眺めただけであったが、帰り際に再度眺めるとファインダーがFA-2であることに気がついたのであった。外観も割と綺麗な個体で、後期タイプで値段も手頃(3万弱)のため思わず連れ帰ることになった。もしも修理に出しているLXがダメな場合の補填という気持ちもあったので、珍しいFA-2つきに喜んだのである。

さらにネットでジャンクのLXが珍しく出ていたため、こちらはジャンクといえども8千円(さすが往年の高級機)であった。一台めの個体は、シャッター音も気に入って空うちをしていたのだが、40回程度シャッターを切ったところでミラーアップの固着となってしまった。ネットから入手した方は、さすがにジャンクということで落下によるペンタ部の盛大な凹みと巻き上げ状態で固着というものであった。結果的にはLX3号機は修理完了して戻ってきたわけで、ただジャンクのLXが2台増えたという結果になってしまったのではあったが、今後のことを考えるといつまで修理してもらえるかもわからないので、いつかは自前でしなければならない日が来ることは明白である。もちろん自前で出来れば、という話である。

ということで、修理(破壊かも)にチャレンジすることになった。

以前、初めてLXを分解した頃は、トラップだらけで敢え無く破壊してしまったが、今回は少々進化し要領をつかんでいるので順調にバラせたと思う。まずは定番の軍艦部カバーを外すことからスタートである。

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シリアル番号から後期タイプでも終わりの方であったので、中はまだ部品が綺麗であることがわかった。

さらにトップカバー(マウント部の前カバー)を外す。配線を外さねばならない。

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巻き上げ機構部を見ると、シャッター幕のリボンが巻き取り用プーリーから外れているのが判明した。

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これは、いきなりミラーボックスを降ろすという難易度の高い作業となる。多くの電線を外さねば降ろせないのである。さらにシャッタースピードダイヤルとファインダー内表示を連動させるためのワイヤーがプーリーから外れるので戻すのが大変というトラップがある。

しかし意を決してミラーボックスを降ろし、プーリーにリボンをかける作業を行ったのであるが、またまた不幸の到来であった。ドライバーが滑って、後幕を突き刺して大穴を開けてしまったのである。幸いシャッター幕は、以前ジャンクにしたLXのものが残っているので交換することとなるのだが、これも難易度の高い作業であった。それでも一旦交換は終了し、シャッター幕のみの状態において巻き上げとリリースで動くところまでは復帰したが、幕位置調整ができない(方法が不明)ため現在はここで停滞中である。これが終わらないと、ミラーボックスを戻す作業に移れないのである。まだ、ギブアップするには早い、、。

一方ネットから仕入れたジャンクの方は、バラしてみるとチャージ部にあるゴムダンパーの加水分解によるゴムの溶解固着であることが判明した。結構有名な故障でありダンパーを取り除き清掃すれば動作するようになった。なんとジャンクの方がわりとすんなり復旧したのは意外であった。電池を入れてみると、一応動作していることが確認できたので、落下で潰れたファインダーを交換し(いっぱいあるので笑)デジタル2号機を取り付けてフィールドテストに持ち出してみたのであるが、どうもAUTOの動作がアンダー気味になりあやしいようであった。フィルムと違いデジタルなので、テキトーにシャッタースピードを上下させてモニターで確認しながら撮れるので、さほどシビアーな露出でなくても良いのだ。動くことが大切ということである。こちらは元がジャンクなので、壊れるまで楽しむこととする。

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下の赤丸位置にゴムダンパーがある。これが経年劣化により溶け出してメカを固着させる。この画像はもう一台のミラーボックスで、まだ部品が綺麗である