LXデジタルの近景撮影

夏休みも終盤になり、そろそろ気分を切り替えなければならない。

さて、兼ねてより懸案だった近景撮影について、前進が見られたのである。当初、1号機を製作時に諦めていた本件であったのだが、あれから2号機、3号機、4号機と色々構造的に変化してきているため、状況が変わっていることに気がつかなかったのであったのだ。イメージャーの裏ブタ搭載に関しては、当初ネジ止めを採用していたのだったが、最近はテープで押さえているのみである。理由はネジの頭がフィルムガイドレールに当たり、センサー表面をマウントから遠ざけていることが3号機製作時に判明したからである。今はガイドを削ってイメージャーチップの本体とガイドが密着するように取り付けるために改造しているので、当初よりはマウント面に近い距離となっている。この変更を行った時にレンズの無限遠調整をやり直しているくらいなので、ここにきてふとイメージャー結像面がLXのフォーカシングスクリーンの位置調整が可能な範囲になっているかもしれないと気がついたのであった。早速LXのスクリーン高さ調整を実施し、ファインダーを見てピントがあったと思われる点で撮ってみると、撮影画像もそこそこピントが来ていることが確認できたのである。

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調整は、ファインダーを外し、4本ねじを取り外せばコンデンサーレンズブラケットを取り外すことができ、その下にある4本のネジによりフォーカシングスクリーンの高さ調整、つまりマウントからの距離を調整できる。以前は微調整しかできないと思っていたが、実際やってみると最大1mm程度までならなんとかできそうであったので、目一杯上に上げてみたのである。その結果、撮ったのが次の画像であるのだが、28mm F3.5を裸眼で見てピントが合っているかどうかは正直わかりにくいのが実態であった。なるほど、デジタル一眼レフ機は光学ファインダーが売り物ではあるが、ファインダーでピントを目で合わせ正確に山をつかんでイメージャー上に結像させる点へ合わせ込むのはかなり難しいのではないのかと思い知らされたのである。最近の精度の良いAFがなければこれは難しいのではないのかということである。ミラーレス機であれば、拡大表示やピーキングにより、合わせられるのであるが。ゆえに昔の銀塩一眼レフにデジタル部をつけたとしても、プアーなピント合わせでは等倍鑑賞時に微妙なピントずれが見えてしまうのである。

それでも画像をPC上で等倍観察してみたところ今回はまぐれかもしれないがピントは来ているようなので、結構使えそうという結論である。LXはフォーカシングスクリーンが交換可能であるので、見やすいものに交換が必要であろう。これによりこれまで嘆いていた近景のピント合わせがファインダーでできないという制限がなくなり普通に撮れることとなり、もう一つフィールドに持ち出す気分が高まったと言えよう。

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庭の花を試し撮りしてみた。ファインダーを覗いて、ピントが来たと思われる(?)ところでシャッターをきったのである。(苦笑)ごく普通のスタイルなのに、今まではできなかったのであった。

ちなみにMEの方も調整してみたのであるが、ME自体のフォーカシングスクリーンがピントが合わせにくいものであり、ずれているのかピントが合っていないのか判別が難しいのであった。

MEの場合は、ミラーボックス内から調整が可能である。

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イモネジを調整して、といっても限度までスクリーンを遠ざける調整をして、近くのものにピントを合わせて撮り、ピントが合っていると判断した位置で撮った画像を拡大表示で見てピッタリだった時は思わず「すごい!」と声を出してしまったのだった。今のデジカメでは至極当たり前のことであるのだが。MEによる等倍鑑賞に堪えられるだけのピント合わせは、あのフォーカシングスクリーンではかなり難しいというのが実感である。次に完成させる予定のMXはフォーカシングスクリーンは交換可能であるので、しかもLXと形寸法は同じなのでそちらに期待できるかもしれない。

いずれにせよ、ファインダーが飾りでなくなったことは非常に嬉しい。今回は休み終盤に不幸が訪れなかったことも良かった。